2022年夏、大阪経済大学&ロゴスコーポレーションとのPBLを実施しました。
レポート 毎年恒例となってきた大阪経済大学(進路支援部)の夏のPBL。今年は、日本にキャンプブームを巻き起こした草分け的存在であるアウトドア総合メーカーの株式会社ロゴスコーポレーションさんにご協力をいただきました。
ロゴスさんは、ファミリー向けのキャンプ用品ブランドのLOGOSをメインとした製品の企画・製造・販売を展開されています。他にも「LOGOS LAND」(京都府城陽市)、「LOGOS PARK」(高知県須崎市)など自治体とコラボしたテーマパークを運営するほか、直営店にカフェを併設するなど独自の空間プロデュースも行っています。
そんな新規事業にも積極的なロゴスさんから大阪経済大学の学生たちに出された課題は“ロゴス・ウインタープロジェクト-冬の売上倍増に挑戦!”というもの。キャンプは主に夏に盛んに行われることから、同社は冬の売上低迷が課題なのだそう。そこで、冬の売上を上げる新規事業の提案を、大阪経済大学の学生たちに求めたのです。
今回ご指導いただいたのはロゴスコーポレーション経営管理部総務課次長の佐々岡大輔さん。「経営上の細かな数値はともかく、ざっくり2億円程度を売り上げられる新規事業・サービスを学生らしい自由な発想で提案してほしい」と課題をいただきました。
今年の大阪経済大学(進路支援部)PBL参加学生は総勢29名でしたが、例年と違った点がありました。一つは3年生が最も多かったこと。二つ目に参加者の9割が男子だったこと! 3年生が多かった理由には、1・2年次にコロナ禍で積極的な学生生活を謳歌できなかった背景があったかもしれません。また参加者が男子に偏ったのは、キャンプやアウトドア活動は男性志向のものだから!?なのでしょうか。
いずれにせよ8月から9月20日までの約ひと月半、29名の学生たちが全6回のPBLプログラムに取り組み、最終プレゼンに挑みました。
例年は、中間発表で企画にダメ出しされ(企業の方には敢えて厳しい審査をお願いしています)、また最初から企画を練り直すチームがほとんどですが、今年はそうでもなく(もちろん一から企画を練り直したチームもありましたが)、最初に立てた企画をしっかり深堀してまとめ上げたチームもありました。
ファシリテーターの指導のもと、設定した顧客層に実際にインタビューを行い、ペルソナ(顧客像)を固めてその課題に応えられるプランを練ったり、企画の根拠となるエビデンスを固めたりと、さすがに3年生が中心とあって、最終プレゼンのレベルは過去最高だったとファシりテーターは評価していました。
チームビルディングの面でも、一時は崩壊するか!? と危ぶまれたチームも、講義外の時間に自分たちでしっかり連携をとり、最終日には全員揃ってプレゼンに挑むなど、うまく乗りきってくれました。
弊社の実施するPBLは、もちろん課題解決にはしっかり挑んでもらいたいのですが、それだけを目的にはしていません。このPBLは一つの疑似社会として、チームとなったメンバーたちがいかに他者と協働するか。そこに主体的・積極的に関わり責任を果たしていくか。そうした一人ひとりのリーダーシップや、目の前の課題に対して一歩踏み出す力をどう身につけてもらうのかに注力します。社会人基礎力とも言えるこれらの力をPBLを通して獲得してもらいたい。もちろん、事業計画の立て方やロジカルシンキング、プレゼンテーションスキルなども貪欲に身につけてもらいたい。それらがトータルに身について初めて、就職活動にも生きてくると思います。
毎年一期一会の出会いと学びがあるPBL。学生たちが切磋琢磨して臨む最終プレゼンでは、毎回感動と喜びがあります。また来年も、このPBLを続けていければと思います。